ぴっぱらの樹(仏像うしろ)
★成り立ち


 ぴっぱら奨学金の始まりは、1991年当時東京大学に留学していたタイ人(現チュラロンコン大学教授 タワチャイ)と、日本人の僧侶(現 当団体理事長 西村)がコーンケーンの農村を訪問したことから始まります。その当時私が個人的に別のNGOを通じて援助していた子供を訪問。2人とも農村の現実を目の当たりにして、「これは自分たちでも何かしなければ・・・」と思い至ったのがきっかけです。「ぴっぱら」というのはサンスクリット語で菩提樹のことですが、タイは仏教国ですのでこれを冠した活動をしようということになり、1992年から小中学校への教材・学校設備等の支援事業、中高生と教員志望の大学生への奨学金支給事業、また交流と開発教育を兼ねてのPippala Friendship Tour(要するにスタディツアー)を行っています。

 ぴっぱらが行っている事業は、いずれも単年度の予算は小さいので、実効性を求めるため長期にわたって事業を継続します。「教育」という分野は効果が明らかになるまでに長い時間を要します。おそらくは今、私たちの奨学金をもらっている子が、大人になり結婚して子供ができて、その子供が成長して学校に行くようになるころに本当の効果がはっきりするのではないかと考えて、気長に取り組んでおります。


★2つの目的


 一つは子供たちにチャンスを与えること、夢や希望を与えることです。イサーンの人は両親ともにバンコクへ出稼ぎに行くことが当然のようになっています。両親の離別も少なくありません。家庭環境が幸せとは言えない子供もいます。貨幣経済の短期間での流入は多くの問題を産み出しています。けれども、これらの問題を解決するのはタイ人であり、イサーン人です。そして、これらの解決には次代を担う子供たちに教育の機会を与えることが不可欠です。そのためのお手伝い。私たちにできることはそこまでです。

 二つ目は、私たち自身の人生を豊かにすることです。経済的には充分すぎるほど豊かな生活を送っている私ですが、ぴっぱらの活動を通じて、イサーンの人々と出会って、教えられたこと学んだことがたくさんあります。もちろんイサーンの人々はそうは思っていませんが、私たちが支援しているのではなく、私たちは支援されている側でもあります。彼らは私たちよりよっぽど豊かなのです、経済面を除けば。


★活動内容


・奨学金事業
 奨学金事業は、中高生は年額1,500Bhatを約50人に、大学生は5,000Bhatを十数人に支給しております。いずれも成績より本人の向学心と家庭の経済状況を優先して選抜することにしておりますが、実際の選考は当該学校の先生に一任しております。これは私たちが志望する生徒の家庭を一軒一軒訪問することは事実上不可能であり、仮に訪問したところで「よそ者」である私たちに真実がわかるかというと、たいへん疑問であるからです。また、現場の若い先生達はたいへん熱心であり、真面目に取り組んでおりますので、「不正」についてはあまり心配はしておりません。

・教材、設備等支援事業
 これは農村の小規模校の実態に即したプロジェクトとするため、年度毎の予算を1万〜1万5千Bhatにしています。当初は若手の先生の月給を目安としていました。これは「先生が背伸びをしないで使いこなせる金額」を想定したものです。その後は実効性とのバランスから現在の金額になっています。実際のところ、この程度の金額ではたいしたことはできませんが、基本的な教材が不足しているイサーンの農村の学校では、たとえば理科の実験に使うビーカーや、体育のサッカーボールなどを買ったり、雨水を溜めた貯水タンクからの給水管を整備したり、他の大きなNGOの支援で建設した図書室の照明設備を購入するなど、身近だけれども手の回りにくい部分で役に立っています。

 しかし、この事業でもっとも大切なことは、地方の農村の学校で頑張っている若い先生達の励みになっているということでしょう。金額が小さい分、先生方と非常に親密な関係ができ上がります。また、年に一度以上、各学校を訪問いたしますが、特に外国人が来るということで村の人の関心が高まり、これが学校への関心、教育への理解へと繋がる、という効果もあるのではないかと考えております。

・募金活動
 現在、主な資金源は会員の皆様の会費、寺院関係からのご寄付、NGO関連イベント出展時の物品販売収益など、全て日本国内に於けるものです。しかし、これでも奨学金受給希望者の全てに答えられておりません。そのため、現在は在タイ邦人やタイ人からの募金受付けもはじめました。将来的には、タイ人自身の手による募金活動や奨学金運営も視野に入れて取り組んでいます。

・ぴっぱらフレンドシップツアー
 毎年1〜2回、各学校を訪問し、先生と子供たちや村の人たちと交流します。学校か村人の家に泊めてもらい、村によってはモーラムパーティで歓迎会を開いてくれたりします

・参考>フレンドシップツアーレポート

★平和を求めるメッセージ

 私たち人類は21世紀を平和な時代にしようと願いました。しかし、その最初の年に既にその願いは破られました。今日も世界の各地において紛争が続いております。正義の名の元に多くの罪なき人々が命を奪われ、生活を脅かされています。
 紛争の双方が掲げる正義。多くの場合、それは一面的な正義でしかありません。そして、報復は決して心の安寧をもたらしません。私たちは政治的立場や民族を越えて、全力で平和を求めなければなりません。

 当理事会は、地球上の全ての人々に対して、戦争による解決よりも平和を求める努力を優先するよう求めます

西暦2001(仏暦2544)年11月18日
ぴっぱら奨学金理事会

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ぴっぱら憲章